第四話 『大晦日と初詣について』 静岡組 清福寺 竹内康文 |

第四話 『大晦日と初詣について』 静岡組 清福寺 竹内康文

年末になるとテレビや新聞・雑誌・インターネット等でその年の出来事が放映、掲載されているのをよく見ます。

昨年に関しては明るいニュースが沢山あった中で私の印象に残っているのは、東日本大震災で被災したJR石巻線が5年ぶりに全線再開した事や北陸新幹線の開通。スポーツ界では女子サッカーワールドカップにおいて日本が準優勝、夏の甲子園では昨年が100年を記念する大会で、早稲田実業の清宮選手や関東第一のオコエ選手等の話題で盛り上がりました。それからラグビーワールドカップにおいては日本の飛躍、その中でも「五郎丸ポーズ」でブームとなった五郎丸選手は一躍時の人となりました。その他にもアイススケートの羽生選手の活躍等々。

しかし、反対に暗いニュースも沢山ありました。災害においては、4月に起きたネパール大地震で多くの犠牲者を出し、5~6月は箱根山と口永良部島新岳の噴火で地元住民の方々が被害を受け不安な日々をすごしました。9月には関東・東北を中心に豪雨で多くの建物や田畑が大きい被害を受けました。災害の他にも世界各地で起きた銃乱射事件、まだ記憶に新しい11月にフランスのパリで同時多発テロ事件が起こり、多くの犠牲者を出し世界中を震感させました。その他にも数えきれない程の事件や犯罪が昨年は発生しました。また、テレビ等では出ていない事件や犯罪も沢山あったと思います。

皆様は昨年を振り返って、どのような気持ちで年末年始を迎えたでしょうか。人それぞれの感じ方はあると思いますが、私は今思い返してみると暗いニュースの方が何故か強く印象に残っている気がします。

さて、今日の日本では宗教問わず多くの方々が大晦日は除夜の鐘をつき、正月は初詣に行く事が習慣となっており、大きな寺社仏閣では大変な賑わいとなる所もあります。
浄土宗の多くの寺院でも大晦日は除夜会、元旦には修正会(しゅしょうえ)という法要を勤修しております。

除夜会では阿弥陀仏に一年間で起こしてしまった煩悩を全て懺悔(さんげ)し、来年が平和で清浄な年になるように祈念します。
修正会では改めて阿弥陀仏に昨年起こしてしまった煩悩を全て懺悔し、今年が平和で清浄な年になるように祈念します。

私達が普段勤めている法要の中でも懺悔偈(道場に仏菩薩をお迎えして今まで自分が起こしてしまった煩悩を懺悔する偈文)を称えてからお念仏を称え、阿弥陀仏に自らの往生を願うと共に、供養や祈願を申し上げる流れになっております。それは大晦日や初詣のお参りに行く時も同じで、まずは自分自身の日頃の行動を振り返り周囲の出来事を思い返して懺悔する事が大切であり、その後にお願い事をして頂ければと思います。また、懺悔をした上でのお願い事の内容はより明確になり易いと思います。勿論、お念仏をお称えすることもお忘れのないようにお願いします。明るいことも暗いこともあるこの世の中を生きる私達です。常に阿弥陀仏のお護り、お導きを願って過ごすことが大切です。  

本年も世界中の方々の生活が平和で清浄な一年になることを祈念すると共に、自らの二世安楽の幸せを願いお念仏をお称え致しましょう。

 

[ 懺悔偈 ]
我昔所造諸悪業(がしゃくしょぞうしょあくごう) 
皆由無始貪瞋痴(かいゆうむしとんじんち) 
従身語意之所生(じゅうしんごいししょしょう) 
一切我今皆懺悔(いっさいがこんかいさんげ)

 - 意訳 –
私がこれまでになしてきた様々な過ちは、はるか昔から脈々とつながる
貪り、怒り、おろかさの三つの毒を元として、体、言葉、心を通して現れてきたものです。
私は今、そのすべてをひとつひとつ胸に刻むようにして、懺悔すると、ここに誓います。

※参考 伊藤比呂美 訳

阿弥陀佛のお救いについて詳しくは『お念仏とは?』をご覧下さい。

合掌十念

静岡組 清福寺

竹内 康文