『御忌案内』 清水組 法岸寺 鵜飼義山 |

『御忌案内』 清水組 法岸寺 鵜飼義山

年明け、または桜の季節になると、全国の浄土宗寺院において「御忌」と書かれたポスター等を目にする機会があると思いますが、これで「ぎょき(御忌)」と読みます。
御忌は浄土宗を開いた法然上人の忌日法要、要はお年忌です。
普段あまり使わない言葉ですが、これはもともと天皇陛下などの偉い人のお年忌を指す言葉で、お坊さんのお年忌として「御忌」という言葉を使うのは異例な事です。

法然上人のお年忌は、お弟子方によって京都の知恩院で始まった為に「知恩講(ちおんこう)」と呼ばれていましたが、今から約500年前の1542年、後柏原天皇が『毎年1月に、京都や近畿地方のお坊さんを集めて1週間にわたって法然上人の御忌(お年忌)をつとめ、その教えを広めなさい』という文章(『大永の御忌鳳詔』)を知恩院に出した事により、「御忌」という呼び名が法然上人のお年忌には使われるようになりました。

知恩院では天皇の通達どおり、毎年1月18日から1月25日までの7日間(法然上人の御命日は1212年1月25日)、法然上人のお年忌を盛大につとめるようになりましたが、一月の京都は極寒であるために、そのような雪深い寒い時ではなく盛大にやるなら暖かい、みんなが集まりやすい季節にしようという事で、約140年前の明治10年(1877年)から4月に行われるようになり、これに合わせて他の5つの大本山も4月に御忌をするようになりました。

総・大本山では、御門跡・御法主から任命された唱導師が法要を行い、法話や雅楽、練行列などを行います。増上寺ならば境内や芝公園の桜が綺麗な時、京都ならば祇園で都をどりが行われていますし、開花が遅い年ならば仁和寺の遅咲きの桜も残っているかもしれません。観光の途中で立ち寄るのでも結構です。ぜひご参詣下さい。
(もちろん法然上人の御命日である1月25日にはすべての総・大本山では法然上人の為の法要が営まれます。)

最後に、「御忌」を参詣するにあたり何が大切でしょうか?

「御忌」は法然上人のお年忌です。ですから大切なのは、皆さんが大切な人のお年忌に参列する時と同じ、「亡き人の気持ち」ではないかと思います。平成23年には800年大遠忌も終わりました。800年以上ずっと続けられてきたお年忌。「悲しい」という気持ちよりも、「おめでたい」という気持ちでいいかと思います。
この世で厳しい修行に耐えられない私達でも、地獄・餓鬼・畜生の世界に生まれる事なく、必ず悟りを開く事ができる世界、阿弥陀様の国・極楽浄土に救い取ってもらえる、そんなお念仏の教えを私達に遺してくれた法然上人。その教えに感謝し、御影の前で手を合わせ、いつもより大きな声でお念仏を唱える。これが「御忌」にとって一番大切なことであり、言い換えるなら、法然上人が一番喜んでくれることではないでしょうか。

「御忌」へのお参りがきっかけとなり、その後の皆さんの日々のお念仏の数が増える事を法然上人ともども期待しております。 合掌

清水組 法岸寺 鵜飼義山

 

以下、総・大本山御忌の主な日程(参考:浄土宗新聞)

総本山知恩院 【4月18日~25日】

大本山増上寺 【4月2日~7日】

大本山金戒光明寺 【4月22日~25日】

大本山知恩寺 【4月23日~25日】

大本山清浄華院 【4月20日~23日】

大本山善光寺大本願 【4月11日】